憧れではなく戦略的に会社を利用してみませんか。Ⅶ

~ 法人経営のメリット お金のメリット④ ~

経営者の生命保険料を経費にして節税ができます。

 多くの人が、万が一に備えて生命保険などに加入してます。そして、その保険料は、保険金が高額になればなるほど支払う保険料も高額になります。

 この保険料について、所得税では、所得控除として生命保険料控除の制度が設けられていますが、死亡保険などの一般的な生命保険の生命保険料控除額は、支払保険料8万円で控除額4万円となり、8万円以上の保険料を支払っても控除額は増加しません。

 つまり、8万円を超えて保険料を支払っても4万円以上の控除は受けられないのです。

【個人事業主の所得税額の計算方法】
事業所得=事業収入-必要経費-青申控除
課税所得=事業所得-所得控除(生命保険料控除を含む)
所得税 =課税所得×税率

 そこで、個人事業を法人にすると。
契約者が法人(保険料の支払者及び受取者も)である保険料について、法人が支払った保険料が一定の割合で法人の経費となります。

【法人の利益の計算方法】
利 益=収入-経費(保険料を含む)-給与

【経営者の所得税の計算方法】
給与所得=給与収入-給与所得控除
課税所得=給与所得-所得控除
所得税 =課税所得×税率

 具体的に計算すると。
収入3000万円、経費2500万円、その他として保険料の支払い100万円について、個人事業主の課税所得(所得控除は基礎控除と生命保険料控除のみ)は、

【個人事業主の課税所得の計算】
課税所得=事業収入-必要経費-青申控除-生命保険料控除-所得控除
    =3000万円-2500万円-65万円-4万円-38万円
    =393万円

となります。
 個人事業主が多額な保険料を支払っても所得控除としての生命保険料控除額は、4万円が限度額です。

 しかし、法人で保険の契約をして支払った保険料を経費にしたとき。法人の経営者の課税所得は、

【法人の利益の計算】
利 益=収入-経費-保険料ー給与
   =3000万円-2500万円-100万円-400万円
   =0円
【経営者の課税所得の計算】
課税所得=給与収入-給与所得控除-所得控除
    =400万円-134万円-38万円
    =228万円

となります。
 そして、個人事業のときの個人事業主の所得税は、

【個人事業者の所得税の計算】
所得税額=課税所得×税率
    =3,920,000円×20%-427,500円
    =356,500円

となります。
 法人のときの経営者の所得税は、

【経営者の所得税の計算】
所得税=課税所得×税率
   =2,280,000円×10%-97,500円
   =130,500円

となります。
 そして所得税の差額は、

【個人事業主と経営者の所得税の差額】
差 額=356,500円-130,500円
   =226,000円

となります。

 このように支払った保険料を経費とすることにより、課税所得を減額し所得税の節税ができます。

 ただし、保険金を受け取るときに注意が必要となります。法人が受け取る保険金は、受け取ったときの収入となり、受け取った保険金に相当する利益が発生しますので、受け取る保険金に見合う退職金などの費用を支払って、収入と経費との収支を調整できるように準備しておかなければなりません。