憧れではなく戦略的に会社を利用してみませんか。Ⅸ

~ 法人経営のデメリット 一般的なデメリット ~

重要な意思決定には株主総会や取締役会の決議が必要となります。

 個人事業主は、経営に関する重要な事項について、すべて個人事業主ひとりで決めることができ、実行することができます。

 しかし、法人は、日常の取引について自らの判断で業務を遂行できますが、重要な業務に関して取締役会の決議が必要であったり、会社全体に影響を及ぼす重要な事項については、株主総会の決議が必要であったりと法律に基づく手続きをしなければならないので、手間とお金を要することがあります。

 具体的に決議を必要とする重要な事項は、取締役会の議決が必要な事項として、重要な財産の処分や多額の借入などがあります。また、株主総会の議決が必要な事項として、取締役や監査役の選任、取締役や監査役の解任、決算の承認などがあります。

経営に対する役員としての責任が重くなります。

 個人事業主は、詐欺などの不法行為を行って第三者に損害を与えない限り、経営の判断等の間違いによる事業の失敗について、事業の責任を問われることはありません。

 しかし、法人の取締役は、株主から経営を委託されているので、株主の意向通りの経営をしなければならない義務を負います。
 もし、経営判断等の間違いにより、株主の意向と違う結果をもたらしたときは、経営の責任を問われることがあります。

 具体的には、取締役が法人と同じような業務を私的に行ったり、代表取締役が同じ業務の他社の代表取締役に就任したり、取締役が法人と直接取引をしたりして、法人に損失を与えたときは、その役員はその損失を賠償する責任があります。
 また、取締役が職務の遂行にあたって、粉飾決算等のような悪意や重大な過失により、第三者に損失を与えたときも、その損失を賠償する責任があります。

 もっとも、株主と役員が同一人物もしくは家族のときは、第三者に損害を与えた責任を除き、その責任は軽減されます。

 しかし、株主が第三者のときは、取締役としての責任が求められますので、その責任の重さを認識しておく必要があります。