社長のための「中小企業の決算書」財務分析のポイントを読んで。

著書 社長のための「中小企業の決算書」財務分析のポイント
著者 安田順

あなたは銀行員に業績の推移や成長の可能性を数字で説明できますか?と本のカバーに書かれており。
経営計画を立ている社長でもない限り、数字で業績等を説明できる社長さんって、ほとんどいないのが現状です。そのような状況で、どの程度の数字での説明が求められているのかなと思って読んでみました。

財務分析といえば、決算書の読み方や見方が基本であり。この本も、決算書の読み方、特に貸借対照表(B/S)の理解度を深めることから書かれています。ただし、多くの本が単年のB/Sを基本として書かれていますが、この本は、複数年のB/Sを比較してその推移を捉え。
それが何を意味するのか。
業績が好くなっているのか悪くなっているのか。
理想の推移とはどのようなものか。
と変化を中心に決算書の読み方が書かれており、参考になりました。

また、財務指標についても。
どのように変化していけば好い変化なのか。指標数値の理想的な方向性もわかりやすく書かれています。

コロナ融資も含めて。
「借入金=悪い経営」という考えではなく。
有益な借入金と悪い借入金という借入金の区別をはっきりさせて、借入金について書かれているので、無意味に返済を促しておらず、業績の推移や変化によって、返済すべき金額も変化していくことが書かれています。借入金がある会社は返済計画の参考になるかと思います。

銀行からお金を借りるとき。どのようなことを聞かれるのか。どのような説明をするばよいのか。そういった知識武装に悩んでいる人は、ヒントになる一冊かと思います。