確定申告をしなければならないのですか。

今年事業を始められた方より。
「事業者は確定申告をしなければならないと聞きましたが。儲かっていないのにほんとうに確定申告をしなければならないのですか?」
とのご相談を受けました。

国税庁のホームページに確定申告をしなければならない事業者(勤めながらの副業を除く)の要件がチラシに書かれています。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/teishutsu.htm
その内容は。「各種の所得金額の合計額(譲渡所得や山林所得を含む。)から、所得控除を差し引き、その金額(課税される所得金額)に所得税の税率を乗じて計算した税額から配当控除額を差し引いた結果、残額のある方は、確定申告書の提出が必要です」と書かれています。

簡単に言えば。確定申告をしなければならない事業者は、事業の収支を計算して、所得税を払わなければならない事業者です。
言い換えれば。事業の収支を計算して、所得税を払う必要がない事業者は、確定申告をしなくてもよいと読み替えることができます。

ただし、事業の収支を計算して、所得税を払う必要のない事業者であっても。売上高が一定金額を超える事業者は確定申告をしたほうが良いと思います。
なぜならば。収入等は通帳を見れば計算できますが。どの支払いが事業の経費になるのか、また支払いのすべてが事業の経費になるのかは、基本的に事業者以外はわからないものです。そこで、これらを明らかにするために収支の計算結果(税額なし)を確定申告したほうが良いと思います。

また。収入がそれほどなく、事業の収支を計算して、所得税の確定申告の必要がないときでも。消費税のインボイス登録事業者は、消費税の確定申告をする義務があります。そのときも。消費税の収支と所得税の収支は関連しているので、消費税の収支を明らかにするという意味で、所得税の確定申告をしたほうが良いと思います。

(注)上記の1~4に当てはまらない方であっても、上場株式等に係る譲渡損失と配当所得等との損益通算及び繰越控除の特例の適用を受ける方などは確定申告書の提出が必要です。